となりの水無月さん。






しかもカーテンまで閉めてるし。

しかもテレビの目の前に座ってるし。

何このテレビとの距離感。鼓動がうるさいわ。いろんな意味で。


「あ、見て小野くん!髪の長い女の人だよ!」


しかしお隣の水無月さんは、膝を抱えて座っている俺の頭をバシバシ叩いて画面を指さす。

地味に痛いです水無月さん。

あとそんな恐ろしい場面を人に薦めるんじゃありません。

特に俺とか。


……あー想像しちゃった今。

髪の毛の長い女の人が呻き声上げながら這ってくるところを情景豊かに想像しちゃったよ今。

怖い。怖すぎる。

もうダメだ今日電気消して寝れない。

そのせいで電気代が上がったら水無月さんに請求したい。割りと本気で。


なんて思いつつ頭を抱えている俺の隣で、ホラー映画をそれはもう眩しいくらいのはしゃぎようで楽しんでいる水無月さん。

どうやったらそんなに肝が据わっちゃうのか全力で教えて欲しい。

1ヶ月くらい講義とか開いて欲しいくらいだ。


……まあ、それで水無月さんレベルまでホラーを楽しむことができるようになるかと聞かれたら、正直言って、なれない。


「わー!見て見て小野くん!女の人が布団の中から!」

「…………。」



今日布団で寝れない。