そんな俺の心境を知ってか知らずか、いや絶対知る気もないだろうけど、水無月さんは。
「だいじょぶ、小野くん!」
ちょっとだけ得意げな笑みを浮かべる。
なんで得意げなんだろうかと思えば。
「水無月さんが居るじゃないですかー」
なんて、自信満々な声色で言い切る水無月さん。
しかも両手で俺の右手を握って上下にブンブン振るってるし。子供か。
「…………。」
その手を見つめて、なんて返そうか、と考える俺に向かって、水無月さんはニコニコしながら「ね!」と強要してくるわけで。
「…………。」
一体なんの根拠があって自信たっぷりにそう言い切れるのか、もはや疑問しか浮かばないけど。
「……まあ、ひとりよりは、マシですけどね。たぶん」
どういうわけか納得してしまうから、不思議でならない。
もう水無月さんには、根拠もなしに人を納得させてしまうとか、まあいいかと思わせてしまうとか、何かそう言う超能力でもあるに違いない。
そうじゃなかったら、なんでこの人になかなか勝てないのか、理由が思いつかないんです。俺は。


