となりの水無月さん。





畳み終わった最後の洗濯物を、種類ごとに分けた塔の上に置く。

それから俺は、水無月さんのほうへと、顔を向けた。


「……まあ、そのつもりですけど」


答える。

水無月さんは瞬きをひとつすると、「そっかあ」と言いながら、ごろんと仰向けになった。

小さな頭がクッションからずり落ちる。


「今年も小野くんはここに居るのかあ」

「……はあ」

「お盆も?」

「そうですね」

「そっかあ」


ずり落ちた頭をクッションに戻そうともせずに、水無月さんは続ける。


「じゃあ、水無月さんと夏休みを満喫しようじゃないかー」


ヤル気も何もない声色で言われてもなあ。と思う。

まあ、基本的に、水無月さんのヤル気満々の声とか、滅多に聞かないけど。


「……水無月さんと夏休みですか…」


俺はベッドに寄り掛かりながら、ぼそっとつぶやく。

すると後ろから「何か文句でもあるのかい小野少年」と、むすっとした水無月さんの声がかかった。