水無月さんは二本目のチューハイを飲みながら、夜道をぶらぶらと歩く。
その一歩後ろを、俺はコンビニ袋を提げて歩いた。
静かな夜道。
遠くの方から、夜の騒がしさが微かに響いてくる。
時折、歩道の横を車が通り過ぎて行った。
前を歩く水無月さんの、髪の毛が揺れる。
街灯の明かりに照らされて、ぼんやりと光る。
眠いなあ。
と、なんの気もなしに思った。
「小野くん小野くん」
不意に、こちらを振り向いた水無月さんに呼ばれ、欠伸を噛み殺す。
噛み殺しながら、「はい」と返事をした。
「なんでしょうか」
「おなか空いたーポテチちょうだいー」
言いながら立ち止まる水無月さんに、コンビニ袋を差し出す。
すっかり忘れ去られたサラミの存在は、この際気にしないでおこう。
水無月さんは袋の中身をガサゴソと漁り、目的のものを手に取ると、「んむ」とか「うぐ」とか、なんとも取れない声を発して、ポテチの袋を俺に突き付けた。
その姿が、まるで3歳児みたいに見えて、思わず笑いそうになった。
なるほど、開けろと。


