素で驚いた表情を浮かべている水無月さん。
俺はもはや、何を言うでもなく脱力するしかなかった。
ホントもう……この人どうしてくれよう。
「……いいっすよもう」俺はため息交じりに言う。「俺荷物持ちしてるんで…」
「え、ダメだよそれ……あたしが楽しくないもん……」
「…………。そうですか」
もう何も言うまい。
「えーっと……あの、ごめんね?小野くんが買ったの飲んじゃって……」
「や、別にいいっすよ」
どーせ水無月さんが飲みたがるだろうと思って買ったヤツだし。
と、いうのはあえて言わないでおいた。
なけなしの反抗心だ。しょぼい。
水無月さんは、何故か自分が手に持っているチューハイと俺を交互に見やる。
何をしているのかと思ったら。
「……飲む?」
と、飲みかけのラムネ味を、恐る恐ると言う風に、こちらに差し出してきた。
俺は思わず立ち止まった。
一歩遅れて、水無月さんも立ち止まる。
「…………」
水無月さんは、小首をかしげて、もう一度缶を持ち上げた。


