コンビニに着くと、水無月さんは真っ先にお酒コーナーへと向かった。
扉を開けて、夏限定のラムネ味を手に取るかと思いきや、「シークァーサー!」とか言いながらまったく見当はずれのチューハイを手に取った。
いや、美味しいですけど。美味しいですけど。それも。
「あとはー……」水無月さんは、お酒の並ぶ棚をじっくりと見つめる。「これとこれと、これとこれ!」
4つ選んだ中には、ビールもラムネ味も入っていなかった。
「小野くんは何飲む?」
なるほど、それは全部自分用なんですね。
「……じゃあ、これとこれで」
「ビールとラムネ味か~」
「ですね」
「美味しいよね~」
心が折れそう。
+++++
おつまみを選んでコンビニを後にした。
例の如く、最初は「ポテチ食べたいポテチ!」と言っていた水無月さんが最終的に選んだのは、ポテチとはかけ離れたサラミだった。
いや、美味しいですけど。美味しいですけどね。


