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水無月さんが着替えるのを待ってから、アパートを出た。
いつもなら、ひとりでお酒だったりおつまみだったりを買いに向かうコンビニまでの道を、水無月さんと並んで歩くのは、なんだか馴染みがなくて変な感じだ。
ジャージとTシャツとサンダル、という気楽すぎる格好の水無月さん。
コンビニまでの道は、人通りがなくて静かだ。
「今日は何を飲もうかなあ」
水無月さんは愉快気だ。
「ビールが飲みたいんじゃなかったんすか?」
「んー、飲みたかったんだけどね?」
気が変わったと。
「外に出たら、夏っぽいから、夏限定のチューハイとかいいかなーって」
「ラムネ味ラムネ味」と水無月さんは繰り返す。
この人はホントに気まぐれだなあ、と思う。
たったの数分で気が変わるんだから。ホント。
「カップラーメン食べたい!」とか言っておいて、お湯入れて3分待つ間に、「やっぱり焼きそばがいい!」とか言い始めるような人だし。
結局うどんとか食べ始めるもんだから、行き場のなくなったラーメンと焼きそばは、泣く泣く俺が食べなきゃならないことになったり。とか。
炭水化物の取りすぎで栄養失調になったら、水無月さんのせいにしよう。こっそり。


