となりの水無月さん。





どうりで静かだと思った。

洗濯物を片付けるのに夢中で、寝息にも気が付かなかった。


「…………」


ってか、人に片付けさせておいて、自分は眠るって。

『手伝ってー』とか言ってたくせに、最終的には俺が全部やる羽目になるのだ。絶対。


「…………」


たびたび俺が片付けて、でもいつもすぐに足の踏み場がなくなってしまう部屋。

その部屋の上を静かに歩く。そっと歩いてベッドに向かう。

勝手に寝るのはもう慣れたからいいですけど、せめてタオルケットくらいおなかにかけて寝たらどうですか。水無月さん。

そろそろ夏ですけど、まだ夕方は肌寒いですし。


「…………」


そうやってこっそりと文句を言いながら、水無月さんの足元にあったタオルケットを手に取り、そうっとかける。

誰かを起こさないように、そうっとタオルケットをかけるのは、実を言うと、水無月さんが初めてだった。


「…………」


帰ろうかとも思ったけど、なんとなく、座ってしまった。

ベッドに寄り掛かって、頭だけを載せる。

時計の音と、水無月さんの寝息だけが聞こえる、部屋。


「…………」



時刻は午後4時。

瞼を閉じたら、いつの間にか、そのまま眠ってしまっていた。