お母さんの遺影が飾ってある棚の後ろ。

そこの壁との隙間に
……小さな缶が隠してある。


記憶を消しても……
いつか返しに行かなきゃいけないって
分かっていたから。


誰にも見つからないように
ちゃんと隠しておいたんだ。

お母さんにお願いして……
お父さんに内緒だよって
……記憶を消す前に。