次の日、望遠鏡を買ってきた。 カーテンを閉め、少しめくって望遠鏡だけを出し、遠くの敵を覗いた。 ひとり暮らしの男の子だった。 二十歳そこそこだろう。 私が神経をすり減らしているのに、男はのほほんと暮らしていた。 許せないと思った。