目を覚ますと目の前に押領司クンの姿があった。

なんだか愛おしくてキスをしそうになる。

(あぶない、あぶない)

加奈ちゃんが寝てるのを確認すると、私は自分の指にキスをして、その指を押領司クンの唇に押しあてた。


朝食と笑い声。
いつもとは違う朝を過ごした。

「社会人は二日続けて休んじゃダメ」

ためらう押領司クンを仕事に向かわせた。
私は加奈ちゃんの手をひいて一旦アパートに戻る。

今日の私の任務は加奈ちゃんのお母さんと連絡をとり、加奈ちゃんを引き渡すこと。
条件は加奈ちゃんのお父さんに見つからないように。

加奈ちゃんのお父さんがそれに応じるとは思えないけど、あれこれ悩んでも始まらない。
ショップが開く時間を待って、タクシーを呼んだ。