約束をしてから、一ヶ月以上が経っていた。

明日は約束の押領司クンの誕生日。
いっしょに飲みに行くことになっていた。

でも、あのガーデンレストラン以来、会っていなかった。
メールのやりとりが数回だけ。
長い間、押領司クンの声を聞いてない。

あの時、はしゃぎ過ぎたような気がする。
それに、押領司クンが約束を覚えているかも心配。

こっちから確認のメールをした方がいいのはわかっている。



暗闇の中、望遠鏡で明るい押領司クンの部屋を覗いた。

ふいに押領司クンが現れた。
お風呂上がりの裸体をさらしている。
バスタオルで頭を拭きながら、窓際に近づいてきて、窓から星空を見上げた。

私は思わず身を隠した。
心臓が破裂しそうに高鳴っていた。

私は苦笑する。

これじゃ恋する乙女だ。


やっぱりメールしようと決めた時、電話が鳴った。

見ると期待した押領司クンじゃない。
私は手を止めた。

それは心当たりのない電話番号だった。