二人の娘を追い立てるように、父親は早々にその場を後にした。

何だか、すぐに続くのは、ためらわれる。

歩き始めていた押領司クンが振り向いた。

「どうかしたんですか」

ゴンドラを降りた人の群れは、とっくに通り過ぎている。


「加奈ちゃんとあやちゃんはいっしょに育てるべきだと、あの人は考えないのかしら」

「まあ、そうですけど、仕方ないですもんね」

押領司クンはあっさりとそう答え、私の思惑とは裏腹に私を急かす。

まるで父娘の後を追いかけたいみたいに。


えっ、もしかして、そんなに加奈ちゃんのことが気になってるの?


ちょっとぉ、押領司クン。

あんな小さな子供・・、それって、犯罪だよ。