でも、どういう訳か、ドライバーたちは誰も気にしている風がない。 何事もなく、通り過ぎていく。 きっと、ぐるりと回るカーブに気を奪われて、暗い部屋の中なんて眼中にないんだろう。 試しに、バスタオルを巻いただけで、窓際に立ってみた。 やっぱり、誰も振り向かない。 (ほら、みんな。見てもいいのよ) ちょっと口惜しくて、バスタオルをそっとめくった。