勝くんが消えた。 玄関のドアが開くのが、直接じゃなく、明るくなった天井から見て取れた。 勝くんが再び現れる。手にはラッピングされた鉢。 (驚いてる、驚いてる) 手紙を取り出した。 (お金、入ってたかなあ) 手紙を広げる。 (うわっ、手紙読むの、速いし) ケータイを取り出した。 (そうそう、ちゃんと電話しとかなくちゃね。お母さん、心配してるよ) と、その時、私のケータイが鳴った。 (えっ)