―君ノ隣―



麻里side



「智樹のばか。」


やっぱり思い出したな。予想通り。


相変わらず優しいよね。智樹は。


あたしも前に進まなきゃ。


「敵わないな…あの二人には。」


「当たり前でしょ?」


「美羅!なんでここに…。」


「卒業式だからね。

あの二人は相思相愛。

誰にも邪魔なんて出来ないよ。」


「そうだね。」


それだけ言うと美羅は去って行った。


あたしも幸せになりたいな。

もうこんなことはしない。

智樹…雪奈ちゃん…ごめんね。

幸せになってね。