―君ノ隣―



そして2学期に入り10月になった。そんなある日の放課後。


「亜由加…今日は政くんと遊びに行くんだっけ?」


「うん♪じゃね♪」


「バイバーイ!」


「ゆーきなちゃん♪」


「竹井くん…どうしたの?」


1人残された私に声をかけたのは竹井くんだった。

竹井くんに誘われ、学校から30分ぐらいのところにある海に向かった。


「すごい…。」


「きれいだな…。」


水平線に沈む夕日はすごくきれいで、海面がオレンジになっていて二人で砂浜に座りじっと眺めた。

夕日が沈み辺りが薄暗くなり竹井くんは駅まで送ってくれた。


「今日はありがとう!」


「雪奈ちゃんはそんなに智樹が好き?」


「好きだよ?」


「俺じゃ智樹のかわりになれねぇかな?」


「え?」


「今の雪奈ちゃんを見てるとつらいんだ。
智樹のこと好きでいいから…無理かな?」


「気持ちは嬉しいけど…。
やっぱり智くんが好きだから…。」


「知ってる。
やっぱ敵わないな。智樹には。
じゃまた明日!」


竹井くんはそう笑って言うと帰って行った。


竹井くんごめんね。


そしてありがとう。


私のことを好きになってくれて。