―君ノ隣―



空港につくと一般客や修学旅行生などで溢れかえっていた。

搭乗時刻になるまで雪と話すことなく時間がただ過ぎていった。

搭乗ゲートを通り飛行機に乗って自分の席に向かった。


「真ん中か…。」


「智くん…窓側の席私なんだ…。」 


「あ…ごめん…。」


俺は立ち上がり雪を通して再び席についた。

偶然雪の隣になった。

嬉しく思う自分がいた。反対側は誰もいなくて二人だけ。

妙な緊張感。

でも言葉を交わすことはなかった。

しばらくしてふと横をみると雪は眠っていた。


「ごめんな。」


隣に誰もいないことを良いことに、

俺は眠っている雪にそっとキスをして眠りについた。