―君ノ隣―


智樹side


「なんでそんなことゆうの!?」


空気が一気に冷めた車内。なにやってんだろ。

楽しい修学旅行のはずなのに。



「亜由加ごめん。席替わってほしいんだけど。」


「うん…いいよ。」


「あっきー!
カラオケないのー?カラオケしよーぜ!」


「あるみたいだぞ!みんなでするか!」



政樹のおかげでいつもの、さっきまでの騒がしさに戻った車内。


「また冷たくしちゃったのか?」


「なんかイライラしちゃうんだよな…。」


「ケンカ?」


「神悟にとってはチャンスだろ?」


「あのな…。」


「まぁまぁ!今は盛り上がろうぜ!」


「そうだよ!歌おうぜ!」


「そうだな!」



空港につくまでの間、車内は大盛り上がりだった。

すごく楽しかった。

だけど雪と話せず少し切なくも感じていた。