―君ノ隣―


学校に着くと、クラス名簿が貼り出されている下駄箱は
さわがしくて生徒たちで埋め尽くされていた。



「あ!俺たち4人、一緒のクラス!6組!
亜由加一緒だなぁ!!!」


「やったぁ♪」



政くんと亜由加はまわりの視線を気にせず、イチャイチャした。

そんな二人をみて私と智樹くんは笑った。



「ほんとラブラブだよな。」


「中学のときから変わらないよ!」


「雪は彼氏いないの?」


「いないよ…って雪って私のこと?」


「これから雪って呼ぶ!」


「じゃあ…私は智くんって呼ぶね♪」



そう言うと智くんは笑った。

人とちょっと違う呼び名ってゆうだけなのに
こんなにも嬉しいなんて私単純なのかな。


教室に向かうと座席表が黒板に貼られていた。
なぜか出席番号順ではなくバラバラだった。



「あーっ!!」


「なんだようるせーなっ!」


「政くんどうしたの?」


「亜由加の隣♪」


「ほんとー!?」



二人は席につくと、机をくっつけて話した。あのラブラブオーラを放ちながら。

その様子をみたクラスメイトは驚いていた。



「もうちょっと場所を考えてほしいよな…。」



苦笑いを浮かべそう言うと智くんは自分の席を確認して席についた。

私も席行こ。えーと…私の席は一番後ろだ。しかも智くんの隣。

なんか…緊張してきた。


でも…やっぱり智くんはモテるんだね。

本人は気づいてないみたいだけど。



「あの人ちょーかっこいい!」

「仲良くなりたい!!」



あちこちで女の子たちが智くんをみて言ってる。

私も…智くんともっと仲良くなりたいな。



「雪が隣なんだ。改めてよろしくな!」


「隣が智くんで良かったぁ。こちらこそよろしくね♪」


「あの子隣とかうらやましい!」



ちょっと…優越感かも。

他の女の子より智くんとの距離が近い。がんばろっ。