「ここら辺で昼飯にするか」



大きなサービスエリアの空いていた駐車スペースに車を滑り込ませた後、リュウが腕時計を確認しながら言った。



もうそんな時間なんだ。



そういえば、ちょっとお腹空いて来たかも。



平日だから割と人は少なくて、そんなに混雑していなかった。



「いい加減教えてよ、どこ行くの?」



レストランに入って一息ついた後、メニューに目をやっていたリュウが顔を上げた。



だって、やっぱり気になるもん。



「言っただろ?お楽しみだって。ま、妃芽にとったらそうじゃないかもしんねぇけど」



寂しそうに笑うリュウがやけに印象的で。



「着いたら、話があるから」



神妙な面持ちで言うリュウに、それ以上聞くことが出来なかった。



話ってなんなんだろう。



もしかして悪い話?



別れ話とか?



そればかりが気になってご飯が喉を通らない。



結局、半分以上残してしまった。