「どこ行くの?」



運転席に座るリュウの横顔をちらっと見つめる。



まだ真新しい新車の匂いと革の匂いが入り混じり、ほのかにリュウの香水の香りまで漂って来た。



革張りのシートは座り心地も最高で、あまり車に詳しくないあたしでも、それだけで高級車だってことがわかる。



「着いてからのお楽しみ」



前を向いたまま、リュウは口元を綻ばせた。



そんな横顔を見て、胸がキューッと締め付けられる。



好きだよ、リュウ。



リュウはどう思ってる?



最近まともに話していないからかな。



リュウの愛情表現が減った気がする。



前はもっとベタベタしてくれたのに。