やっぱりやめようかな。


このままお店に行っても、泣いて迷惑をかけちゃうかもしれない。


ヒロさんの顔を見ながら普通に話せる自信もない。


心配したヒロさんがリュウに言う可能性だってある。



繁華街の中で立ち止まったあたしを、通り過ぎる人が迷惑そうな顔で見つめて来る。


それもそうか、あたしかなり邪魔になってるもんね。



「妃芽……⁉」



雑踏の中、控えめに誰かがあたしを呼んだ気がして思わず顔を上げた。



「え……」



な、なんで⁉



「久しぶり」



目の前の人物は驚いて目を見開くあたしに、気まずそうにしながらも爽やかに微笑んで見せた。