「ちょっと待って」
お店のガラスにある貼り紙を見て、思わずそう言っていた。
返事を待たずにリュウの腕をグイグイ引っ張り、そこに近寄って行く。
「アルバイト募集だって」
テンションが急激に上がって行くのがわかった。
さらにお店の雰囲気や外観も可愛くて、かなりあたし好み。
レディースとメンズの両方が入っているお店でわりと大きいのに、あまり知られていないブランドなのか店名を見てもピンと来なかった。
でも、惹かれるなにかがある。
働きたいと、直感でそう思った。
実はあたし、前のお店をクビになってからニートだったんです。
それでもなにも言わないリュウに今まで甘えて来たけど、さすがに甘えっぱなしはダメだと思い始めた今日この頃。
「はぁ⁉働く気かよ⁉」



