「そんなに俺に襲われたいんだ?朝も激しかったのに、まだ足りねぇ?」
「なっ……もう十分ですから‼」
真顔でそんなことを言うリュウに、あたしはドギマギしてしまう。
そして頭の中には、愛し合っていた時の光景が浮かんで恥ずかしさでいっぱいになる。
もう何度も経験済みのはずなのに、リュウとしていると毎回初めてのようなドキドキがある。
毎回愛されてるなって実感が湧くし、幸せな気持ちになれるんだ。
「ぷ、なに照れてんだよ。顔赤すぎだろ」
真剣な表情を崩してフッと笑ったリュウに、不覚にもドキッとした。
そして何事もなかったように、リュウはあたしの手を取って歩き出した。
「どっか行きたいとこあるか?」
その顔と声は不機嫌なんかじゃなくて、とても穏やかないつものリュウのもの。



