冗談なんかも言ったりしてさ。
かしこまってはいたけど、すごく楽しそうだった。
「無愛想に振る舞えって言うのかよ?相手は客だぞ」
ドキッ
どっかで聞いたことのあるセリフ。
それは考えるまでもなく、あたし自身がリュウに言った言葉だ。
「そ、れは……っ」
鋭いリュウの切り返しに、あたしはたじたじ。
わざと……?
一瞬、そう思った。
今になって初めて、リュウの気持ちがわかった。
わかってるんだ、理屈では。
相手がお客さんだってことを。
リュウにその気がないってことも理屈ではわかるのに……
もどかしい。
ただ、嫌なんだ。
それだけ。
だって、相手は少なからずリュウに気があるってことでしょ?



