その場から動けなくなったあたしの頭には、ネガティブなことばかりが浮かぶ。



なんとも思わないって自分で言ったくせに気になって仕方ない。



それが営業なんだとしても、嫌なものは嫌だとはっきりこの時わかった。



強がらなきゃ良かった……


はっきり嫌だと言っていれば、リュウが電話に出ることはなかったかもしれないのに。



バカだ、あたし。



痛む胸を押さえながら、あたしはその場から駆け出した。