たったそれだけのことで、心がひだまりみたいに温かくなる単純な俺。 ああ、やっぱり……。 俺は美久のこの笑顔にかなり弱い。 「どうした?美久」 「イイコイイコ」 腕を必死に俺の頭に伸ばす美久。 「パパこわいお顔してるから。おこらないでー」 子どもって敏感だなとつくづく思う。 まだ言葉の意味を深くまで理解出来ないはずなのに、大人の気持ちを敏感に察知してきやがる。 「怒ってねぇよ」 やっぱり美久の笑顔には頭が上がらない。