「うっせーババア」
「バ、ババアって……あーいーとー⁉誰に向かってそんな口きいてるの?」
笑顔を引きつらせながら、ユメが愛翔の側に歩み寄る。
「おい、ムキになんなよ。ガキの戯言だろ?」
「リュウは黙ってて。これはうちの問題なの」
だったら人んちでやるんじゃねぇって言ってやりたかったけど、ユメの顔が余計怖くなりそうだったからやめておいた。
楽しそうに逃げ回る愛翔をムキになって追いかけ回すユメは、大人気ないことこの上ない。
ヒロトはやれやれといった感じでそんな2人を見つめている。
多分、日常茶飯事の出来事なんだろう。
それにしても……。
逃げ回る愛翔は昔の俺にそっくりだ。



