「ゆうちゃん、みくねピーマンたべれるようになったよ」
お気に入りのピンクのワンピースを着た美久が、嬉しそうに結翔に向かって微笑む。
「すごいじゃん。えらいね、美久」
「えへへー」
頭を撫でられて嬉しそうにはにかむ美久。
結翔の奴め。
どれだけ美久をたぶらかしたら気が済むんだ?
俺の美久を横取りしやがって。
「ピーマンがなんだよ‼オレなんかナスビたべれるもんね‼」
結翔とは違ってかなりの悪ガキっぷりを発揮する愛翔が自慢気に鼻をすすった。
「みくだってたべれるよ?」
ムキになって言い返す美久。
ガキってなんでこんな下らない言い合いをして見栄を張りたがるのかが不思議だ。
「みくはカボチャたべれねーだろ?オレはたべれる」
「だってカボチャきらいだもん」
プクッと頬を膨らませる仕草までもが可愛くて仕方ない。