「「家⁉」」 ヒロさんの口から出た言葉に、あたしとユメさんの声が重なる。 「そ。結婚する前言ってたじゃん。でっかい家を建ててそこに住むのが夢だって」 ユメさんの目を見つめるヒロさんの顔は、いつものように優しくて穏やかなものだった。 「言ったけど……それとあの女の人のなにが関係あるの?」 「あの人マエサワハウスの代表取締役でさ……見積もりとか色々相談してたんだよ」 「えっ⁉」 ユメさんの目が大きく見開かれる。 予想だにしていなかった答えに、かなり動揺しているような感じ。