「俺の気持ちは出会った頃から変わってないよ」
ユメさんに向かって優しく手を伸ばすヒロさん。
「そんなの……信じられるわけないでしょ?」
パシッ
その手を振り払って、ユメさんはヒロさんに背中を向けた。
しゅ、修羅場だ……。
人の修羅場を見ちゃってもいいものか。
席を外した方がいいんじゃ……?
あれこれ考えていると、隣にいたリュウと目が合った。
困ったような顔で胸中を察してくれたらしい。
「どうせすぐ仲直りして帰るだろうから気にせずここにいろ」
この2人と付き合いが長いリュウなだけに、先の展開が読めてしまうんだろう。
色んなことを客観視出来るその洞察力が羨ましい。



