「そんな言い方しなくてもいいじゃん」 もういいよ。 リュウにはあたしの悩みなんてわかるわけないんだ。 完璧なリュウに凡人のあたしの悩みなんてね。 「待てよ」 洗面所から出て行こうとしたあたしの腕を、リュウがすかさず掴んで引っ張る。 「勝手に自己完結すんな」 「えっ⁉だって……ムダだって……」 そう言ったじゃん。 「そういう意味で言ったんじゃねぇよ」 ますますわけがわからなくて、あたしはリュウに向かって首を傾げた。