「あ、おかえりー」



すっかり日が暮れた寒い冬の日。


スーツに身を包んだリュウが体を震わせながら帰宅した。



「外やべぇ、マジ寒い」



鼻の頭を真っ赤にさせて、温もりを求めるようにあたしを背後から抱き締めて来る。



「リュウは本当に寒がりだね」



冷たくなったリュウの手にそっと自分の手を重ねる。



すると、今度はその手をリュウが握り返してくれた。



「妃芽の手……いつもあったかいからホッとする」



「でしょ?あたし、体温高いんだ」



「ぷ。子どもみてぇだな」



こ、子ども……。