コンコン



「妃芽ー?入るよ」



ドアをノックする音が聞こえて、おもむろにそこを見た。



ガチャ



返事をしてないのに開けて入って来る亜希に苦笑いを浮かべる。


せっかちな亜希らしいけどね。



「わー‼」



そんなあたしにお構いなく、亜希は歓喜の声を上げて駆け寄って来る。



裾がふんわりした淡いピンク色のドレスに身を包んだ亜希。



小さなバラのコサージュまで付いていて、目一杯オシャレしてくれている。



「まさか妃芽が1番乗りだとはね」



まだ準備の整っていないあたしに、亜希が後ろから声をかけて来る。



鏡越しに亜希と目が合って、思わずにっこり微笑んだ。