リュウがシートに身を乗り出して、あたしの後頭部に手を回した。 「……っ‼」 「ちょっとだけだから」 いたずらっ子のようにニッと笑うリュウに、胸がドキッと高鳴った。 リュウの指があたしの頬に触れて、体がビクッと震える。 その真剣な瞳に、呼吸をするのすら忘れてしまいそうなくらい苦しくなった。 「やべ、余裕ねぇかも」 「えっ?」 どういう、意味? 聞き返す間もなくリュウの顔が近付いて来る。 「んっ……」 薄くて艶やかな唇があたしの唇を強引に奪った。