「俺……ワガママなんだよ」 リュウがポツリと話し出す。 「お前を独り占めしねぇと気が済まねぇ。本当は働きたがってることだって知ってるし、夜寂しい思いをさせてるのも知ってる」 「けど、男がいるとこで働いて欲しくねぇ……朝帰って来た時も一番にお前の笑顔が見たい」 そう、だったんだ。 そんな風に思ってたんだ。 知らなかった。 「俺のワガママが結局妃芽を苦しめてたんだよな」 “ごめんな” そう言ったリュウの声は悲痛な色を含んでいて。 どうしようもないくらい胸が締め付けられた。