「妃芽が選んだ人だもの。自分の娘を信じるわ」
「お母さんっ」
あたしはそう言ってくれたお母さんの腕に飛び付いた。
結局最後には味方になってくれる頼もしいお母さんが大好き。
「俺も辰巳さんを信じるよ」
大樹までもがそう言ってくれて、お父さんはさらに小さくなってしまった。
そんなお父さんに向かってリュウが真剣な顔で再び口を開いた。
「今すぐ認めてくれとは言いません。けど、妃芽さんに対する気持ちだけは本物なんで……それだけは勘違いして欲しくないんです」
そう言ってリュウはお父さんに頭を下げた。
「努力して行くんだろ?」
そんなリュウに向かってお父さんが観念したような声を出した。
驚いたように目を見開くリュウ。
「私にそれを認めさせるよう、努力して行くんだろ?」
「もちろんです‼」



