そこまで考えてくれてたの……?
お世辞を言えないリュウだから、それを本心で言っているってあたしにはわかる。
そんな風に言ってもらえるとすごく嬉しい。
「ふん、どうせ口だけだろ」
お父さんはブツブツ言ってリュウの言葉を聞き入れようとしない。
「あなた、竜太君がせっかくここまで言ってくれてるんだから」
お母さんがお父さんの側に寄り添って、宥めるようにそう言った。
「母さんは口を挟まないでくれ。これは男同士の問題なんだ」
お、男同士の問題⁉
なにそれっ。
「大体その派手な髪型はなんだ?顔だけの男は女泣かせだと決まってるんだ。キミもそうじゃないのか⁉」
「ちょ、お父さん‼」
なに言うのよ‼
リュウを侮辱しないでっ‼
いくらお父さんでも、それだけは許せない。



