「キミは私を病人扱いする気か?」
リュウのことが気に入らないのか、お父さんは険しい顔でそう口にした。
真っ直ぐにリュウを見つめながら、一向にその瞳をそらそうとはしない。
「ちょっとお父さん‼そんな言い方ないでしょ⁉せっかく心配してっ」
「妃芽は黙ってなさい」
「でもっ」
言い返そうとするとリュウの手があたしの肩を優しく叩いて、なにも言うなと語りかけて来た。
「妃芽さんがご両親を大切にしているように、僕も同じように大切にしたいんです。これはその気持ちの表れみたいなもんです」
一切動じることなくそう言い切ったリュウの横顔を、あたしはドキドキしながら見つめていた。
「ふん、口ではなんとでも言える。物でつろうなんて、キミの中にはそんな考えしかないのか?」
それでも悪態をつくお父さん。
もう‼
お願いだから、リュウに嫌なこと言わないでよ‼
「確かに口ではなんとでも言えます。だけど……本心なので。信じてもらえるよう努力します」
リュウ……。



