その段ボールを押し退け、 壁にかかっているスーツに手を伸ばす。 真新しい白いシャツ 成人式ぶりに袖を通した黒のスーツ 紺地に白のストライプが入ったネクタイ そして、 この日の為に準備した 黒縁のだて眼鏡 これらを身にまとい鏡の前に立つ。 「よし、完璧っ…」 不備はない。 鏡に映る俺は大人に見えた …まぁ、見た目だけだろうけど。