「ほ…宮さん、 どうかしましたか?」 『穂乃香』と言いかけて言い直し、 できるだけ先生らしく演じる。 「あっ、いえ…」 そういうと穂乃香はまた下を向いた。 「先生、姫のことが好きなの?」 その言葉に思わず 俺と穂乃香は動揺した。 そう聞いてきたのは 教壇の目の前の席に 座っていた有邑だった。 否定しなくては… と思い口を開く前に有邑は続けた。