「先生彼女はー?」 どこからか聞こえた 質問に反応したのか、 穂乃香の体がびくっと動いた。 「…居ないよ」 「えーじゃあ何人と付き合ったのー?」 付き合ったこと… 「―ないなぁ…――」 だって穂乃香だけだもん、俺。 「えー!嘘だぁ~!!」 女子生徒の大きな声に また思ったことを 口にしてしまったことに気づく。 「あはは、本当本当」 笑いながらそう答える俺を さっきまでうつ向いていた 穂乃香が驚いた顔をして じっと見ていた。