「…はい……」 小さく返事をした彼女は、 ゆっくりと席を立った。 「宮…穂乃香です。 えっと…――――」 彼女は何を言っていいか 分からない状態だった。 でも、それは俺も同じだった。 「宮さん、自己紹介ね。 なんでもいいのよ~?」 田嶋先生がフォローする。 彼女はやるべきことは分かっている。 ただ、言葉が見つからないのだろう。 考え込んだ結果、 やっと口を開いた。