『―太一ちゃんっ…!――』 ―――… 瞼を開けると 透き通った青空も 白い花が咲く野原も 可愛らしい女の子の姿も、 そこには穏やかな光景はなかった。 代わりに目の前に広がったのは 少し色褪せた白い天井だった。 ふと枕元に置いてある携帯に目をやる。 表示されていた画面には6:39の文字、 今日は5月6日、 大型連休といわれるGW明けだ。