嬉しくてつい照れ笑いをすると 女子生徒の黄色い声が聞こえた。 「…じゃあ出席とります、 名前呼んだら軽く自己紹介な? ―青木実――――…」 名前を呼ぶとそれぞれ 返事をしてくれる生徒たち。 部活のこと、好きなこと、 何でも自由に話してくれた。 声を聞いているだけで 性格が分かったような気がした。 32人の俺の初めての生徒たち。 最初の緊張も徐々に和らぎ、 俺が呼ぶ生徒もあと3人だった。 「―本田勇作――」 名前を呼んだと同時に、 教室の扉が開いた。