「えっ、何これ?なんかのカバー?」
「そう、カバー。」
「ちょっと!期待しちゃったんですけど。」
だって、箱にまで入れてあるんだよ。
「いやー。いいもん見せてもらったよ。」
声がすごいふるえてる。
「笑こらえなくていいから。」
あたしがそう言うと、盛大に笑いはじめた。
「何がそんなに面白いのさ。」
「だってね、なんだろうってわくわくしたような顔で開いてみるとそこにはカバー。
あの落胆っぷりがおもしろいったら。」
涙まで出してやがるこのやろー。
「箱に入れた甲斐があったよ。」
奈実がそう言った。
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