世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。







ミラが今にも泣きそうになっていると、ラギドは困ったような顔をして頭を撫でた。



「嫌でも、受け入れるしかねぇな」



「そんなっ! そんな簡単なことじゃない!!」



ミラは瞳にいっぱい涙を溜めて、ラギドをにらんだ。



ラギドは顔を背けて、ピアスをいじった。



「ま、まぁ、悪魔ってのも悪くねぇぞ。 そんな気に病むな」



「――…はぁ…?」



ラギドの言っている意味がわからなかった。


《なんでさっきの会話から今の答えが出るんだろう…?》


この人といると、自分が本当に頭が悪いんではないかと、思えてくる。