ミラは膝の上で拳をにぎり、絞り出すような声で言った。 「…姫の気にすることじゃない。――後々解ると思うが…、」 「なに、それ…」 「俺の口からは、言いにくいな」 《……さっきなんでも答えるって言ったのに…、》 「じ、じゃあ誰が教えてくれるのっ!」 「ギル。」 ラギドはミラの質問に、間髪入れずに答えた。 まるで、当たり前とでもいう風に。 「あの人は、何で私に…?」