世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。







「俺はラギド。ギルの幼なじみだ。 あ、ラギドって呼んでくれ」



「……はい、」



やや低めの声で、金色の髪にややグレーの目が目立つ、綺麗な顔立ちだった。





「じゃあ姫、俺に何でも聞いてくれ。何でも答える」


「……え?」



ラギドがなぜか真剣に、言ってきた。


《聞きたいこと、聞いていいのかな…?》



ミラは、今まで溜めていた疑問を口にした。



「えっと、ラギドたちは、なぜこっちにきたの…?」



ミラは、少し手が震えていた。



「あー…、それがいきなりくるとは思わなかった。」



ラギドは、少し驚いたような顔をして、言いにくそうにして言った。



「…はっきり言うと、姫のためだ。」



その答えにミラは、意味がわからないという風に、首を傾げた。



「……姫って? どこの?」



ミラのよくわからない質問に、ラギドは吹いた。



「…ふっ、あははは! ひっ、姫は、ばかなんだなっ」


「なっ、なんで!」


「この空気で、なんてこと言い出すんだよ…(笑) 普通に考えて姫って言ったら、一人しかいないだろ」


「えー…?」